触れてはならないもの

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私は引き止めてくる麻美を振り切った。 「離して!私は行かなきゃならないの!」 校門を潜り抜け、校内へ入ると、二人組の男の子から不審な目で見られた。 「うちの学校に何の用?」 「本多奈津子って人に会いたいの!どこのクラスか知らない?」 「葉月やめなって!」と麻美が腕を掴んでくる。 「離してよッ!君達、知ってたら教えて!」 「本多奈津子?俺は聞いた事ないな。直也知ってるか?」 横に居たもう一人の男の子が「あっ」って顔をした。 「スウェーデンリレーで、一気に抜いて一位になった人じゃないか?奈津子って呼ばれてた気がする」 「あの人凄かったな」 「そう、その人!何年何組か教えて!」
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