触れてはならないもの

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週末、私と麻美は予定通り呉広高校へ向かうことにした。 「ねぇこの学校に何があるの?勿体振らないで早く教えてよ」 「待ちなさいって!楽しみは後に取っておくものなの!」 「普通の学校じゃん。何処がホラーなの。殺人鬼でもいるの」 「ある意味、殺人鬼かな?」 「マジで!?嘘でしょ?」 「私達は大丈夫だから!」 「??」 私は校門から校内を、泥棒が窓から家の中を覗くようにコッソリ覗いた。 「休みなのに騒がしいと思ったら、運動会の真っ最中だったんだ」 「ねぇねぇ葉月、見て見て!あそこに怪しい人がいるよ」 そう言って麻美が私の肩を叩いてくる。 「何処に?」
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