32人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言えば去年も愛は、冷え性を気にして冬に手を繋ぐのを遠慮していたのを思い出した、そんときの俺は、だったら俺が暖めてやる、とかぶん殴りたくなるような偉そうなこと言ってたな………………って……は!?
今なんて言った!?
「分かっちゃったって…何を!?」
けっこう動揺してる俺。
悪い事してないのに悪い人みたいな俺。
でも多分、誰でも驚くよな。デジャブってやつじゃないの?
ん?案外俺って冷静なのか?……前も言ったっけ?
「その……こ、告白されたんでしょ?……香織ちゃんに……」
徐々に小さくなっていく声、罰の悪そうな表情がなんだか引っ掛かる。
「うん、そうなんだけど……なんで知ってるの?」
俺の問いかけに愛はゆっくりと話した。
「本人から聞いた、進が振ったことも聞いたし、だからって諦めるつもりもないとも言われた、宣戦布告されちゃった……なんかいつもの香織ちゃんじゃないみたいで……少し怖かった……」
俺が気づいていなかっただけで、しっかり振っていたことにも驚いたけど、それ以上に驚いたのは、どっかのドラマでありそうな三角関係の修羅場が俺たちの関係で起こった事だ。
今すぐにでも立藤に言いたいことがあったけど、愛も動揺してるみたいだったから昼休みいっぱいは愛と一緒にいることにした。
最初のコメントを投稿しよう!