distance ～ believe you ～

‐１１‐

昨日、涙ながらに好きだからどうしようもないと言った立藤のことを思い出した。

愛に対して喧嘩を売るようなことをしたのを黙ってはおけないけど、立藤にはちゃんと分かってほしかった。

分かった上で諦めて欲しかった、自惚れてるし、自分勝手なのは分かってるけど、俺には……愛しかいないんだから……。

俺ってホントに自惚れてる、正しいなんて到底思えない、だけど、他にどうしろっていうんだ。

立藤は、どんな気持ちで愛に自分の思いを伝えたんだろう……。

俺のせいで……愛が立藤と気まずい関係になろうとしてる。

それなのに俺は、まだ覚悟を決めきれていない、立藤を傷つけることになったとしても構わないという覚悟がまだない。

脳裏に立藤の過去の話が何度もフラッシュバックする、あいつが過去苦しんでいた事を知っているから、諦めてくれなんて言えない、好きな人に自分のことを諦めてくれなんて言われて、平気な人はいないと思うから。