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「おはよう、愛」
紺色の制服に赤いマフラー姿の愛が寒そうに手を擦りながらこちらに近づいてくる、春休みを挟んで2週間、久しぶりの制服姿が新鮮だった。
そして、この通学路を2人で並んであるくのも最後の1年となっていた。
「いよいよ、私たちも受験生だね」
愛はマフラーに口もとを埋めながら、しみじみとそういった。
去年の11月あたりから高校でも大学進学への意識が高まっていて、3年生になった今、周りのみんなはそれぞれ行きたい大学などを明確に決めていく時期だった。
俺と愛は学部こそ違うものの、同じ大学に行こうと決めていた。
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