DustNumber。

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「宝物」 歌い終わって満足したのか、それからすぐにシルクハットの男は帰っていった。 帰った、と言うより目の前から消え去ったのだけれど……今更何があったとしても驚きはしない。 「……宝物」 消える前に男が僕に渡してきたのは、一枚の楽譜だった。 あの歌の歌詞と、ドラマみたいな思い出と、涙が混ざり合った薄汚れた奴。 「ああ、うん、分かったよ」 ガラクタギターが妙に手に馴染んだ意味も、くしゃくしゃの楽譜を渡された理由も、何となく分かった気がした。
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