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陽が落ち、暗闇の中。寒さに震えながら話した。
暖かだった空気も消え、冷たい風がカーテンを揺らしている。
私は立ち上がり窓を閉め瑠宇に向かって声をかけた。
「帰るか?」
「うんっ」
瑠宇のあどけない笑顔に、私は何故か救われる気がした。
なんだろう?
みちるや恵子。コウちゃんとも違う…。瑠宇という存在は柔らかく私の周りの空気を包む。
私、こいつといるとなんか心が軽くなる。
他のヤツと違う…。
雰囲気と話し方と。たった短時間だけどこうも違うもんか?
歩きながら考えてしまった。
瑠宇は私の通学路とは逆なので、学校を出た所で別れる。
なんせあの可愛さだったから帰り道が心配だったが、別に私は彼氏でもないし。
ポケットから携帯を取り出した。マサからメールが来ていたらしい。
『沙代ちゃん。ガッコ終わったら会おうよ🎵 ご飯🍴食べよ😁♥』
私は返事を出すと、レストランへと歩き出した。
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