出逢い

7/41
前へ
/108ページ
次へ
「あ~沙代先輩じゃないっスか~!お久しぶりっス~!」 店を出た途端、いきなりでっかい声で呼ばれた。 「あぁ…ゴエっち…久しぶり」 本名は違うんだけど、声がデカいから。単純に。 ゴエっちは知らないコ達と、【ダリア】の入り口前にしゃがみ込んでいた。 まったくどこにでも現れては たむろするヤツだ…。 堂々と、邪魔だろが。 「沙代先輩どうっスか~。高校!あっし~、やっぱまだチョ~!行くか迷ってるんスよ~!」 相変わらずの高いテンション。 悪いヤツではないんだけど、ほんとに悩んでるのか? 思わずにはいられない。 まぁ可愛い後輩である事には変わらないけど。 「うん、結構いいよ。ゴエっちも行ったら?ダチ増えるよ」 「そうっスか~!?行く方で考えてみますぅ!!」 「うん、そうしな。またね」 ヒラヒラ、と手を振り、ゴエっちを後にした。 ゴエっちは友達100人出来るかなを実践中なのだ。これで高校行くだろう。 てか中学も行け…。 少し歩きだしたが、足は自然とゆっくりになり。 重い心がそのまま立ち止らせた。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加