出逢い

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やっぱコウちゃんが作っただけある! 1人納得しながら食べていると、玄関の鍵が回る音がした。 あれ? 顔を上げるといつもの姿があった。 「おかえり~早くない?」 「ただいま。今日は早く帰ろうと思って」 「そっか?」 コウちゃんは近くの中学校の 先生。 たまになんだかんだと帰りが遅くて、私は1人で待ってるのが多かった。 「おまえ…エクレア食べるのはいいけど、すぐご飯作るよ?」 ネクタイを緩め、隣に座ってくるコウちゃんは呆れた顔をしていた。 席を開けるため、少し横にずれる。 「んあ~食える食える」 「ま~沙代はな」 「なんだそれ!」 そんな時間が好きだった。 コウちゃんは私の親で、兄だ。 血は繋がってないけど、そんな事感じさせない。 コウちゃんといると、安心する。癒し系? 「エクレアありがとね。すっごく美味しいよっ」 私が笑って言うと、コウちゃんは笑顔で返してくれた。
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