出逢い

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* * * 「おっはよん、沙代ぉ」 机に突っ伏して寝ていたら、声をかけられた。 「お~おはよ。昨日は先帰ってごめん。あ、お金昼渡すね」 「いいのに~」 笑うみちる。 みちるはほんわかした空気を持つ、コウちゃんに次ぐ癒し系だ。 大きな目で、女の私が見てもすごく可愛いかった。 「恵子は?」 みちるは前の席に座ると、私の机に身を乗り出した。 「あ~サボるって」 「そっかぁ~…フンフフ…♪」 機嫌がいいのか、鼻歌を歌いながらみちるは携帯を触り始めた。 一緒にいたってこんなもん。 私は頬杖をつきながら、登校してくる生徒の波をぼぉっと見ていた。 いきなり顔を上げみちるが、私に携帯を差し出す。 「何?」 「昨日さ?沙代帰っちゃったから…メアドみんなで送りあったんだぁ」 「ふ~ん?」 「ほらぁ!マサくんのだよっ」 画面を覗くと確かにマサの名前。 「…なんで私に見せるわけ?」 「も~鈍いなぁっ。沙代に教えるように言われたのっ」 ……え。 一瞬心臓止まった。 って私は夢見る乙女かっ。 意味わかんない。
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