出逢い

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* * * チャイムが校内に鳴り響く。 帰り支度を始める生徒達。 む~疲れた…。 授業は殆ど聞いてないし、ノートも怖い先生の時しか書いてないのに、後は寝てるのに。 なんで学校という所はこんなに疲れるんだ…。 今日一日の授業が終わり、暫くぼ~っとしていたけど、いくら窓際一番後ろという特等席でも掃除の時間は平等。 いつまでも座ってたら邪魔に変わりない。 私はしぶしぶ立ち上がる。 「ちょっと…笹倉さん。今週は掃除当番でしょ。昨日もサボって…」 ドアへ向かおうと体の向きを変えた途端に、声をかけられた。 それも行き場を塞ぐように。 クラス委員長と今週の掃除当番班長だった。 「あ、そうだっけ。忘れてた」 「今日はやってね」 そう言って箒を渡そうとしてくるので、受け取りたくなかった私はあくまで優しく目の前から排除した。 と、優しくしたつもりが。 相手にはそうされるのが意外だったみたいで、行き場の無くなった箒は勢い良く床へ転がる。 「あ、ゴメ…」 「笹倉さんっ」 2人揃ってでかい声を出す。 ……なんだよめんどくせぇ。 まだ残っていたクラスメイトの目が、いつのまにか私達に集まっていた。
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