出逢い

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「何やってんの?」 平良は、いきなり声をかけた私に対して、訝しげに顔を向けた。 邪魔するなとでも言いたげに。 目の周りの黒いアイラインが、私はキツい女ですと更に語っているような感じだった。 「あ…沙代さん。けーこ…」 こんな廊下で堂々とさ、おまえら可笑しいだろ。 私じゃなくても誰か見てるし。誰かが誰かを連れてくるだろ。 話しかけたのが私だとわかった途端、平良の態度が変わった。 けど変な緊張感がこの場に新しく出てきていた。 「楽しいの、それ?」 「…いや、なんもねぇよ」 「…ふ~ん。そう?」 少し顔を和らげた平良に続き、他のヤツらも愛想笑いをしてくる。
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