出逢い

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「沙代がしたいようにすればいい。もっと仲良くなりたいなら、自分から行動する事も大切だよ?」 え~… 嫌そうな私がわかったのか、 コウちゃんは消えてしまいそうな笑顔で、私を抱きしめた。 コウちゃん…? コウちゃんに抱きしめられるのは初めてではなかったが、なんかコウちゃんの顔がせつなくて。 どうしたんだろうって思った。 優しく私を包み込んだコウちゃんが、ゆっくり離れていく。 「駄目だな、沙代。撥ね退けなきゃ」 「え?」 「もうこんな事されてちゃ、駄目だよ」 コウちゃんは笑って、立ち上がった。 「おやすみ」 そのまま部屋へ行ってしまう。 元気がなさそうな様子に、今更ながら今日のコウちゃんの態度はおかしかったかもしれないと感じた。 コウちゃん…? 何かあったのかな。 どうしたんだろ。
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