出逢い

36/41
前へ
/108ページ
次へ
「さっき言ってた、告白してきた人に送ったの?」 「うん」 私が言うと、コウちゃんは暫く黙り、そして私の頭に手を置いた。 いいこいいこしてくると、 「沙代は正直だな」 と優しく言った。 「え?」 コウちゃんは、また壁に寄りかかると、顔は私に向けたまま喋りだす。 「しっかり沙代も、そいつのこと意識してるじゃん。だからそんなに気にするんだろ?」 「そんな事…」 「あるだろ?まったく沙代は何歳だ? 自分の恋心位わかれよ」 コウちゃんは言うと、何故か淋しそうに笑った。 私はそれを、恋心?をわかってないおばかだから、哀れんでるんだと思った。 「よし、今日は沙代が寝るまでつきあってやる」
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加