出逢い

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「…まじ?」 「覚悟しろよ~」 にやりと笑うと、DVDをパラパラしながらどれを観るか探し始めた。 そして一枚を選び取り出すとセットして、電気を消す。 テレビ画面では、英雄であるはずの男が1人苦しんでいた…。 この有名な作品はもう何度も観ているからか集中出来ず、私の頭は違う方へと漂う。 マサを、私は好きなのか? 違う気がする。 いや、よくわからない…。 だってアイツをまったく知らないのに。好きとか嫌いとかあるか。 確かに会った瞬間に惹かれあってしまう、常識も理性も超えたものがあるのかもしれない。 けどわかんねぇ~よ…。 自分の気持ちなんてわかんねぇ。 誰か教えてよ…。 なんか泣きたくなってきた。 ちくしょ~。 ……えっ? 私の左手に、コウちゃんの手を感じた。 驚きで一気に悲しい気持ちが吹っ飛ぶ。
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