絡まる想い

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「沙代おっはよん~何してんの~?」 ハッとしてその声の主を見た。もちろんみちるだ。 瑠宇を見つめた瞬間、私は廊下のざわめきを忘れていた。 「よ~みちる」 肩に乗せていた手をおろし、スカートのポケットにそのまま突っ込む。 みちるは私と瑠宇を交互に見ていたが、人当たりの良いいつもの笑顔を向けた。 「沙代ったらどうしたの?人見知りちゃんだったのに~?」 「…べっつにどうもしないし…人見知りでもないし」 ごにょごにょ言う私を無視し、 みちるは瑠宇に向かった。 「はじめまして~私みちる。よろしく~」 にこっと嫌みのない可愛い笑顔。 瑠宇は顔を赤らめながらぺこりとお辞儀をした。 みちるに向けた眼差しは純粋そうだった…。
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