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初めて見た時から、みちるはお兄ちゃんになってほしいと言っていた。
「沙代ったら幸せものだよねっ」
嫌みもなくほんとに羨ましそうにみちるは言った。
私の過去を知った上での言葉でもあるから尚更重みを感じる。
みちるの家も複雑極まりなかった。
だから家庭を求めるのかもしれないけれど。
「うん、コウちゃんは、出逢えて良かった人だよ…」
私はカーテンの向こうの柔らかな光にコウちゃんを思い浮かべた。
みちるはそんな私を見つめ微笑んだ。
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