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廊下に出ると、2人は向かいあっていた。
恵子は困ったような顔でみちるに向かいあい、そのみちるはうつむきながらうっすら涙ぐんでいる。
……みちるは、喜怒哀楽が激しい…。
「あ、沙代来たよ、ほら」
みちるは私の元へ小走りに来ると、「ごめんね…」と言った。
「それ言うのは私じゃないと思うけど。それより、なんでキレた?」
「ん…」
みちるは、何も、言わなかった。
なんか、今日のこいつは様子が違う気がするのは考え過ぎか?
さっきの恋バナも、きょどってたような。
……確かに恵子なら…私と対応違うだろうけど。
みちるは普段きゃぴってるヤツ。なのに突然スイッチが切り替わり、収拾がつかなくなる時が何度もあった。
「まぁキレたくなる時もあるわな…」
恵子がボソっと呟く。
……お前はキレすぎ。
きつく睨む私に、恵子は素知らぬ顔をした。
「…今日は終わりだ」
私はそう言うと、虚ろな瞳をしたみちるの肩を抱き、恵子と歩きだした。
……みちる、どうした?
大体キレるっていったって、さっきのはキレるとこじゃないだろ。
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