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恵子の声が空しく消える。
何も返せなかった。
恵子は別に心配性でも不安がるやつでもない。
ただ…みちるが、みちるだから。
「みちるが泣かなければ、それでいいよ」
噛みしめながら私は言った。
みちるの泣き顔が浮かんでくる。何度も何度も、あいつは泣いていた。
「みちるはな~気が多いというか続かないというか気が早いというか…」
「はは。恵子もだろ」
恵子がいきなり言うので、思わず笑ってしまった。
「は~?私は違うね!一途だし目下男はいらねぇ」
「恵子に敵う男のがまずいないね」
だし自分で一途とか言うヤツほど怪しいぞ。
恵子を見てにやっと笑うと、珍しく顔を赤くして照れている。
「は?恵子好きなヤツでもいた?」
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