絡まる想い

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「……」 「……」 携帯を閉じて置いても暫く無言。 「あいつは…」 ゆっくり呟いたので視線だけ向けると、目が合ってから恵子がすぐ反らした。 「…なに?」 「なんでもね~…。まぁうまくいったらいいな」 「…だね」 言葉がうまく出て来なかったけど、ただ、みちるが泣きませんようにと思った。 もう泣き顔なんて見たくない。 笑っていてほしいんだ。 教室のざわめきがどこか遠くのものに感じる。 みちる。 今おまえは笑ってるのか? そいつといて、満たされてるか? 私は、おまえに幸せになってほしい。心から思うよ。 おまえは幸せにならなきゃ…じゃなきゃ、今までの日々がバカみたいに悲しいだけだ。 暗闇の次は、明るい場所にきっといけるはずなんだ…。 そう思わないと、やってられない。 こんな人生、要らなくなる……。求めるだけ、望むだけ、絶望が胸を掻きむしる。 蝕んでいく、心が腐っていく。
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