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放課後、廊下に向かい歩いた。
約束どうり朝と同じ場所に着くと瑠宇はまだいなかった。
HRが長引いてるのかな?
「沙代帰らないの?」
後ろから声をかけられた。
顔を見なくても恵子だとわかったので、振り向きながら答えた。
「ん、待ち合わせ」
「そっか。じゃ~私は帰るとしますか。んじゃ明日」
返事をしようと口を開きかけた時、小走りにこっちへ向かってくる瑠宇が見えた。
「遅くなりました…」
「そんなに待ってないしいいよ。てか申し訳なさそうな顔するな」
笑ってしまうと、顔を真っ赤にする瑠宇。と、顔つきがきつくなった恵子が視界に入る。
「…どうした?」
「…べつに」
恵子の目は鋭く、未だ瑠宇に注がれたままだ。
だし、「べつに」なんて顔してねぇだろ。
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