絡まる想い

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とにかく私は瑠宇を連れて歩いた。 行き先は、この間みちると授業をさぼったあの教室だ。 「…こういう場所があるんですね」 着いた途端に瑠宇は言ったが嫌そうでもなかったので、そのまま中に入る。 夕暮れ時だったので、教室はカーテンを透してオレンジ色に染まっていた。 結構暑かったので窓を開けカーテンはまた閉める。 意味はないかもしれないがなんとなく。 こんなとこ誰も来ないし覗かれる心配もないが眩しいし。 窓際の席から椅子だけを出し、窓を背に座った。 「さて、どうかした?」 同じように座ろうとしていた瑠宇は私を少し見つめたが、椅子と悪戦苦闘しつつもなんとか座るとようやく口を開く。 「あ…あの、覚えてない…かな?私のこと…」 え…。
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