【存在の無意味】

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 なぜ僕はここにいるのだろう? なぜ僕らはここにいるのだろう? なぜ僕はここに来たのだろう?  「おはよう、ロリ!」  僕が教室の僕の席で、僕の数学の問題のテキストを開いて勉強していると、後ろから僕の肩を叩いて、そう僕に話し掛けた奴がいた。  「おはよ、ゴリラ」  僕は愛想なく答える。  「なんだよ、ロリ。俺と同じクラスになって嬉しくないのか?」  死ぬほどには嬉しくない。  「本当は嬉しいんだろう?」  訂正しよう死ぬほど嬉しくない。むしろ死にたい。  「自分の席に早く戻れ、ゴリラ」  ゴリラは舌打ちをして渋々自分の席に戻って行った。一体全体何をしに来たのだろう、あのゴリラは。勿論ゴリラと言うのはあだ名である。別に体躯がその様であるからそういうあだ名になったわけではない。毎日弁当にバナナが入っていたからそういうあだ名に高校1年の時になった。  僕とゴリラは全く嬉しくないことに、3年間も同じクラスになることが今日この日をもってして、決定的に決定してしまった。高3ぐらい解放されたいという僕の願いは神によってズタボロに破壊された。いや、この場合、神ではなく先生か――どちらにせよ最悪な1日になることに大差なかった。
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