始まり

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すると、腕に抱いていたウサギの体がじんわりと温かくなってきた。 ピクリ、と動く足。 あたしはハッとしてウサギを見た。 ウサギは再び、 温もりを 生を 取り戻していた。 まだ幼かったあたしは なにも疑うことなく喜んだ。 神様が叶えてくれた。 神様があたしの願いを叶えてくれたんだ。 これが、自分の力であることになんて これっぽっちも気がつかなかった。
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