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「黒頭巾ちゃん、いらっしゃい」
ここは森の中の素敵なログハウスです。
近くに川が流れていて、辺り一面お花畑で、まるで天国のようです。
「はいはい」
お母さんに呼ばれて返事をしたのは、決して可愛い女の子でもなく可愛い声でもなく、かと言ってニューハーフの方でもないおっさんの声でした。
二人は冒頭の台詞がなければ普通の夫婦に見えました。
「黒頭巾ちゃん、おばあちゃんが具合悪いみたいなの。お見舞い持っていってくれる??」
有無を言わさない笑顔を前に黒頭巾ちゃんは頷くしかありませんでした。
逆らったらきっといつものアレがくることがわかっているのです。
そんなのは嫌です。
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