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「お母さん、黒猫でいい??」
黒頭巾ちゃんは受け取ったもの一式を段ボールにさっさと入れ込みました。
ご丁寧にガムテープできちんと閉じてあります。
あとは伝票を張って宅急便屋さんに頼むだけです。
「黒頭巾ちゃん、私はあなたに森の中を歩いて直接おばあちゃんに持っていって欲しいのよ」
お母さんの額に若干盛り上がるものが見えますが、まだセーフだったみたいです。
アレは出ませんでした。
ところでアレってなんでしょうね、気になりますね。
「自転車使ってもダメ??」
黒頭巾ちゃんはせっかく綺麗に包んだのに、と言いたげな顔です。
「ダメよ」
お母さんはその言葉とともにガムテープをビリビリと破り取ります。
「そもそも自転車なんて家にないし、買うお金もないもの」
お母さんの言う通りです。
黒頭巾ちゃんは自転車を持っていませんでした。
しかし今は違います。
胸を張って言えます。
「懸賞で当たったんだ~二等の折畳み自転車」
ピンクで可愛いんです。
きちんと籠も付いています。
でも色彩的には頭巾の色が赤のほうが遠めから見たときに可愛いんですけどね。
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