お菓子の家

20/24
前へ
/115ページ
次へ
「しかもさ、僕ヘンデルでもヘンゼルでもないよ。もちろんグレーテルでもない」 「?!!」 「この格好見てわからないかな」 「(格好…頭巾?!頭巾の童話といったら、)」 「さては『赤ずきんちゃん』ざますね?!あ!!」 ケーキの焦げる匂いがどこからともなく漂ってきます。 そう、先程から放置しっぱなしのおばさんのケーキです。 大慌てで釜戸の所に走っていきます。 「なんでどいつもこいつも間違えるかなー。こんなおっさんの『赤ずきんちゃん』なんかいるかっつーの」 そうですよね。 でも今は夜で真っ暗なので色の識別は相当難しいんですよ?? 「でも『ヘンゼルとグレーテル』じゃないってわかる前に僕のこと男って認識してるんだよ??『赤ずきんちゃん』とか女じゃん」 予想外の出来事に動揺してるのでしょう。 そこは多目に見てあげてください。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加