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「しかもさ、僕ヘンデルでもヘンゼルでもないよ。もちろんグレーテルでもない」
「?!!」
「この格好見てわからないかな」
「(格好…頭巾?!頭巾の童話といったら、)」
「さては『赤ずきんちゃん』ざますね?!あ!!」
ケーキの焦げる匂いがどこからともなく漂ってきます。
そう、先程から放置しっぱなしのおばさんのケーキです。
大慌てで釜戸の所に走っていきます。
「なんでどいつもこいつも間違えるかなー。こんなおっさんの『赤ずきんちゃん』なんかいるかっつーの」
そうですよね。
でも今は夜で真っ暗なので色の識別は相当難しいんですよ??
「でも『ヘンゼルとグレーテル』じゃないってわかる前に僕のこと男って認識してるんだよ??『赤ずきんちゃん』とか女じゃん」
予想外の出来事に動揺してるのでしょう。
そこは多目に見てあげてください。
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