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しばらく狼は呆然としていました。
朝日が狼とお菓子の家と釜戸を照らします。
狼の目には涙が宿っていました。
それはやがて落ちて朝露に交じります。
「おのれ黒頭巾め…」
復讐という名のアーマーに身を固めた狼は今は亡きおばさんと朝日に誓いを立てます。
「黒頭巾は…俺の手で必ず…」
完全に思い違いですね。
とりあえず狼はお菓子の家で腹拵えをして、匂いを辿って出発です。
この数年後、魔女がいなくなったお菓子の家に二人の捨てられた兄弟が辿り着き、幸せな毎日を過ごします。
けれどこれは別の話。
今は先に進みましょう。
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