黒頭巾ちゃん

谷底

「長い…」

黒頭巾ちゃんはうんざりしながらも着々と降りていきます。

「知ってる??」

何が??

「おばあちゃんの家が転々と移り変わってきた歴史」

まぁ一応ナレーターですから。
話します??

「だってひたすら僕が降りる画なんてつまらないでしょう」

そうですね。
では本人の許可も降りましたし、お話しましょうか。
狼も落下絶賛発売中なことですし。

今回のダークホースである黒頭巾ちゃんのおばあさんは以前は黒頭巾ちゃんと一緒に住んでいました。
そして、

『私は誰にも縛られたくない!!』

と叫んで一人で森の中に家を建て始めました。
もちろんおばあさんはかなり自由で束縛なんかされていませんでした。
そのうち飽きるだろうと思っていた黒頭巾ちゃんとお母さんは、

『娘(お母さん)と孫(黒頭巾ちゃん)には一切手伝わせない』

と、一筆書かせた上で、温かく見守っていました。
しかしパワフルなおばあさんは一人で一軒家を建て、森の中に住み始めました。
これが四年前の話。
この時点では童話『赤ずきんちゃん』のおばあさんの家みたいに平凡な場所に建っていました。