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黒頭巾ちゃんが自転車をまぁそれなりの速度で飛ばしています。
時折、砂利がヘルメットに当たった高い音が森の中に響きます。
黒頭巾ちゃんが進む道の先に誰かが見えました。
黒頭巾ちゃんはペダルを扱ぐのを止めて惰性で走ります。
やがて自転車はぴったりその誰かの前で止まりました。
「狼さん」
黒頭巾ちゃんは呟きました。
それは決して狼の毛皮を来た人だとか、三丁目の狼さんだとかではなく、列記とした動物の狼でした。
「ねぇ、」
狼は黒頭巾ちゃんに話し掛けました。
「なに??」
「僕は『狼と七匹の子やぎ』の狼なんだ、お願い聞いてもらえないかな??」
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