0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
その日は雨が降っていたね。
僕が何時もの道を歩いていたら君を見つけたんだ。
『あなたも一人なの?』
『にゃ~』
『そお……私も一人なの。誰も本当の私を見てくれないのよ』
『にゃ~お』
『慰めてくれるの?………ありがとう、あなただけよ』
たまたま僕は見つけてしまった。
そんな感じだった。
こんな悲しい会話聞いたら、僕はほうっておけないよ。
だからあの時初めて君に声をかけたんだ、
『その子だけじゃないさ。僕も本当のきみを見つけたよ』
君は凄いビックリしてたね、持っていた赤い傘まで落としちゃって。
『あなた……確か同じクラスよね?』
『そおだよ』
『気安く話しかけないでよ』
『悲しそうだったからつい』
『悲しくなんかないわよ!私は……このアールグレイ三世とお話してただけよ!』
『猫に紅茶の名前って凄いなぁ』
『良いじゃない!私のかってよ!…それより………』
『なに?』
『その……この事黙ってなさいよ!』
『この事って?』
『私が猫と話てた事よ!!』
君は顔を真っ赤にして怒鳴ったら下をむいてしまったね。
『わかった黙ってるよ。その代わりじゃないけど………今度は猫じゃなくて僕に話してよ、アールグレイ君よりは話が続くと思うよ』
僕がそう言うと君はキョトンとした顔をしたね。
でもすぐに君は照れながら叫んだっけ。
『あなた何様のつもりよ!!…私のアールグレイをバカにしないでよね!……まぁあたながそれでいいなら聞かせてあげるわよ……私の…話』
最初のコメントを投稿しよう!