2/2

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
何処からでも聞こえて来る色々な声、音。 その中から必要な音の波だけを手に入れるのは、とても難しい事。 だから僕はいつも耳をすませている。 大切な音を逃さないために。 ほらまた聞こえてきた。 大切な声が。 とても小さな音が。 これは何の音だろう? 小さな、トクン、トクン、トクンという音。 規則正しく鳴るそれは、何の音だろう? 君のお腹から聞こえるその音は、誰の音だろう? きっとこの音は、 今から生まれ来る、 小さな命の、生きているという大きな証だね。 僕はそれを、聞き逃さないように目を瞑ろう。 音を聞くのはとても難しい事だから。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加