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何処からでも聞こえて来る色々な声、音。
その中から必要な音の波だけを手に入れるのは、とても難しい事。
だから僕はいつも耳をすませている。
大切な音を逃さないために。
ほらまた聞こえてきた。
大切な声が。
とても小さな音が。
これは何の音だろう?
小さな、トクン、トクン、トクンという音。
規則正しく鳴るそれは、何の音だろう?
君のお腹から聞こえるその音は、誰の音だろう?
きっとこの音は、
今から生まれ来る、
小さな命の、生きているという大きな証だね。
僕はそれを、聞き逃さないように目を瞑ろう。
音を聞くのはとても難しい事だから。
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