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縋るものなんかなくて、彰は涙を流す。助けて、と胸が痛いんだ。もしも今のこの気持ちをヌカミソに入れられたら、神様はなかったことにしてくれるのかな?
もう、友達なんて、いらないんだ。
最近草野の様子がおかしいと皆言う。そして修二自信それを感じていた。
彰が纏わり付かなくなったのだ。少し前までは確かにそれを望んでいた。しかし、実際に現状を目の当たりにし、大きなショックを受けている自分がいる。
「……ぅじ!」
「……ぇ?」
ボーッとしている彰を見たら修二自信も上の空状態になっていたようで、クラスメイトの呼び声で我に返った。周りは不思議な顔付きで修二を凝視しているが、彼の癖を知っているために何も言わない。
「何かあった? 草野見つめてボーッとしちゃって」
「寂しいか。最近べったりだったからな、修二に」
「ペットが反抗期~みたいな?」
ギャハハハと笑い声をあげる級友達。彰に聞こえてはいないかと振り返ると、修二が話している間に教室を出たらしく、姿はなかった。
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