9人が本棚に入れています
本棚に追加
ああ、胸が痛い。彰の180°変わってしまった態度が。何より、あの冷たい視線が。
うざいうざいと邪険にしてたのは少し前のこと。天敵のように扱って、邪険に扱っていた。蛇のように変に絡んでくる彰がいなくなればいい、心からそう思っていたのに。
「俺が何かしたかよ……!!」
涙が溢れてくる。実際に彰が自分の元から離れることがこんなに辛いとは思わなかった。
頼むから、今までのように接してくれ。やっとお前の温もりの大切さが身に染みたんだ。
次の日も、その次の日も彰の態度は変わらかった。その間プロデュースが進むはずもなく、修二は日に日に苛々していく。周りはそれに気付いているのか、遠巻きに接していた。
そして彰も態度がガラリと変わり、周りは対応に困っていた。今までは異様な絡み付きだったが、最近に至っては絡みどころか反応さえしない。冷めた目で見つめるだけだ。
「修二、草野どうにかしろよ」
「アイツちょーこえーんだけど」
「俺が知るかよ」
クラスメイトがボソリと呟くと、修二は軽くため息を吐いた。やれるものだったらとっくにやっている。
最初のコメントを投稿しよう!