その三

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抜いた後からは血が段々と滲み出てくる ふと、博雅は思った 針を刺したのに柿麻呂は何一つ表情を変えていなかった、今もそうだ血があの様に出ているのに 「もうじき、出てまいります」 晴明の声に我にかえり柿麻呂を見ると何やら首筋のモノが少しずつもぞもぞと動いている。 「な、何が動いているのだ晴明!」 「ど、どうしたのですか!? 動いているとは何の事ですか?」 柿麻呂本人はこの事に気がついていない 「今、動いているのは柿麻呂殿のお命を奪いそうになっていたモノさ」
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