―第一章 臆病な私―

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「うん、果てしなくどこまでも続いていると思うよ」 思ったとおり、彼の表情には『?』が浮かんでいた。 言わなければ、彼に。アメリカへ行く、と……。 けれど、やっぱり臆病な私は、喉まで言葉が出かかっているのに口に出ない。そればかりか出なくてもいい涙が出そうになってきた。 大丈夫……落ち着け、奈緒……。 そう自分に言い聞かせ、ひとつ深呼吸をし、意を決して私は先程出かかっていた言葉を口に出す。 「じゃあさ……もし私がアメリカに行っちゃうって言っても、私たちずっと……ずっと繋がっているよね?」
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