5人が本棚に入れています
本棚に追加
そこで言葉を区切り、私は彼の言葉も待たずにすべてを話す。
「先月急に、お父さんの仕事の都合でアメリカに行くことが決まって……でも私は当然、ここに居たいっていったんだよ!? でも……家族は一緒じゃなきゃ、とか私はまだ子供だから、ってお父さんとお母さんが……」
すべてを彼に告げた私は、もう一度先程の質問を繰り返す。
「ねぇ、繋がっているよね……?」
私は言い終え、彼を見つめ、彼の口が開かれるのを待った。溢れ出しそうな涙を必死に堪えながら……彼の言葉を待った。
けれど、彼は何も言ってくれない。石のように堅く閉じられた彼の唇。
無意識のうちに私の手が震えてくる。どうして何も言ってくれないのか、私にはわからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!