―第一章 臆病な私―

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必死に走ってきてくれたのだろう、彼の言葉は乱れた息に阻まれて途切れた。けれど、そんな言葉を彼は必死に紡ぐ。 「門田奈緒が世界中の誰よりも、大好きです」 思ってもいなかった言葉が、彼の口から私に告げられた。 神様は意地悪だよ……。 私は彼と……もう会うことはないのに、今になってこんな……こんなにも嬉しいことを彼に言わせるなんて……。
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