―第一章 臆病な私―

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思わず口に出てしまった驚きの言葉。 靴箱の中には、在るはずの上履きがなかった。昨日は上履きを家に持って帰っていないし、ちゃんとここに入れておいたはずなのに……。 「どうしたの?」 不意に背後から声がして、私は思わず肩がビクッ、と震えた。 私は視線を地面にやり、恐る恐る振り返る。 「あ、えっと……上履きがなくて……」 「誰かが間違えて履いていっちゃったのかなぁ……とりあえず僕の貸してあげるよ」 「えっ……!?」
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