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「おいおい、そういうこと言うと男は本気にするぜ?」
「え……タカシなら大丈夫。」
「その信頼は何処から……」
「んん!!」
タカシの言葉が咳払いによって遮られる。
タカシとサクラは咳払いのした方に視線を移す。
そこには、自分達の担任。
「お前ら、始業式早々怒られたいか……?」
「……いいえ。」
担任の言葉に、二人同時に首を大きく左右に振る。
「なら、黙ろうな。」
「はーい。」
サクラとタカシは満面の笑顔を浮かべながら、元気な返事をする。
担任は呆れながら、その場を離れていった。
他の教師達が周りにいないか、サクラは確認してから口を開いた。
「物心ついた時から一緒だもん……信頼するに決まってるよ。」
それを聞いたタカシは、思わずフッと笑ってから呟いた。
「ありがとさん。」
サクラは、その返事に満足そうに笑った。
長くて退屈な始業式は終わり、それぞれが教室に戻った。
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