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タカシとサクラは自分の席に座る。
鞄から漫画を取り出していたタカシの髪を、サクラは構わず引っ張った。
「……痛いぞ、サクラ。」
「暇。」
サクラの言葉を聞きながら、自分の髪からサクラの手を離すタカシ。
「……まだ先生来ないからな。」
「お話、しようよ。」
駄々を捏ねる子供のようなサクラを見て溜め息を吐くと、タカシは手に持った漫画をサクラに見せつけながら言う。
「俺の読書タイムを邪魔するでないよ、サクラ。」
その言葉を聞くと、あからさまに不機嫌そうな表情をしてサクラは文句を言う。
「漫画じゃん。」
「漫画読むのだって読書だよ。」
ああ言えばこう言うタカシに、サクラは頬を膨らませた。
そんな彼女の表情を見ると、タカシは困ったような表情を浮かべながら、サクラの頭をクシャクシャと撫でた。
「女の子が、そんな顔しちゃダメだろ。」
「……女の子と思ってるんだ。」
サクラの言葉に、タカシは首を傾げた。
「何を今更……思ってるに決まってんじゃん。」
「だって、それなら恋人でもないのに何で一緒にいてくれるの?」
タカシは、それを聞くとサクラにでこピンを食らわせた。
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