Ⅴ章

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  ピリオド「なっ…なんだ…?」 ダンテ「足留めに続く足留めか…。俺は本当に運がないな…。とんだハズレクジでも当てたか…?」 ピリオドが構える。 ピリオド「覇王、アナタだけでも先に行ってください。足留め如き、自分だけで充分です」 ダンテ「そうか?良いこと言ってくれるじゃねぇかピリオド。でも…スゴいのが来たみたいだぞ」 ピリオド「分かるのですか…?」 ダンテ「分かるさ。この感じは…とても良くない雰囲気の時に感じるのってことくらいはな」 暗闇の中から西洋の甲冑に身を包んだ兵隊達が歩いて来る。 ピリオド「守護兵…ということですか。しかもかなりの数みたいですが…何者かの『使い魔』ですか?」 ダンテ「そうかもな。誰が仕掛けたか…なんてことは外の結界を見りゃ一目瞭然だ…。先に入った野郎が俺のタメだけに用意した罠だ」 ピリオド「結界…?洞窟に張られていた結界のことですか?」 ダンテ「自分が入った後にやったんだ。相当俺の邪魔をしたいとみる」 甲冑の兵隊達が剣を抜く。 ピリオド「中身は…ただの『闇』の塊か…。ひとつひとつかなりの魔力が込められている…。迂闊には近付けないか…」 ダンテ「まったく…『オリハルコン』はもうすぐ目の前だって言うのに、ウザったいなぁー…」 ピリオド「覇王…?」 ダンテが立ち上がる。 そして、胸板に手を伸ばす。 ダンテ「あんまりゆっくりしてっと持って行かれっちまうからな。持って行かれたくないから…本気で行くか」 胸板に光りの穴が現れ、ダンテはそこに手を突っ込む。 引き抜いた手には鎖が握られていた。 ピリオド「な…に…?『剣帝衆』特性魔封じの『鎖』…!?まさか…アナタはずっと…」 ダンテ「俺の魔力量を見誤ったのも無理は無いさ。兄貴に無理やりこれを填められたんだからな。普段の10分の1程度しか力が出ないうえに…」 ダンテがメガネを外し握り潰し粉々にする。 ダンテ「こんな枷までやられたんだ。いくらお前だって、見間違えるわな。さあて…久方振りに遊ぶかな」 ピリオド(こっ…この魔力だ…!やはり…覇王の魔力は寛大で大らか…そして、包容力のある優しい魔力…。これこそが覇王だ…!) ダンテ「エコー」 ピリオド「はっ…はいっ!」 ダンテ「今まで悪かったな。いろいろと迷惑をかけちまってよ。もう…本気で行くから安心しろ」 ダンテが鎖を投げ捨てる。  
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