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「……許し…て…欲しいの」
母の息があらい
……許す‥‥‥?
何を……?
「お母さん…ねっ…もう無‥理みたい…………」
無理?
ムリって何が………?
「…ハ………母上?何言ってるの?冗談止めて…………」
声が震えている
母の周りは血で赤くかなり広がっている
薄々分かっている
でも認めたくない、嫌だ
「冗談…じゃ‥なっ…‥いの…………ゲホッ!」
母上の口から赤い液体が飛び散る
私はとっさに母の手を握った
冷たくなっている
…いや……
私はこれから起こる事
それが頭の中でぐるぐると駆け巡っていた
「………は、はう…え」
止まることを知らない涙
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