クチナシ

私の目に映る世界は…

私はひっそりとした山の大きな木の下まで母を運んだ

そして幼いながらも必死に穴を掘り

…母上を埋めた

「………母上……」

母は土へ帰って行ってしまった

ある言葉だけを残し

もう、母上はいない

――美月…――

母上の笑顔がうつる

「母上…私を一人にしないで……」

私の呟きは誰の耳にも届かなかった―――――――

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