第一章

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  放課後 また教室に 迎えに来てくれた彼に 傘を持ってるか尋ねた 『悠はきっと  傘持ってこないと思って  俺が持ってきたよ』 そう得意気に言って あたしの頭を ポンポン叩いた 今日は相合傘 彼との間に 恥ずかしいってゆう気持ちは もうほとんど起きないけど やっぱりこんな時は ドキドキした 『やっぱり雨だと  人少ないな』 私が傘からはみ出して 雨に当たっていないかを 確認しながら彼が言った 『ホントだね  めっちゃ静か』 『今週  ずっと雨らしいよ』 『じゃぁ明日は  傘もってこなきゃ』 『……じゃぁ  明日は俺が持ってこない』 『何で?』 私が笑いながら聞くと 彼は目をそらした でも そんな横顔が 傘を持つ手が なんだか可愛かった  
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