プロローグ

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『しかしお前の負けず嫌いには感服したよ。まさか結婚の事まで勝負の対象にするとは思わなかった』 と微笑みながら車を運転する男は 苦笑いを浮かべる助手席の男を一瞥した 『別にそんなつもりはなかったんだけどさ。それにお袋も喜んでくれてたじゃない。やったね!結婚式場の料金割り勘出来るじゃない!少しは安くなるんでしょ?てさ』 エネルギッシュな母親の口まねをして 二人は同時に吹き出した 『全く。家族と彼女二人揃って 慇懃に挨拶したのに 喜ぶ場所が違うだろって思わず突っ込んじまったからな。ムード台なしだよ』 『だね』 今でも彼女達とその話題になると 涙を浮かべながら笑いあって 酒のツマミにしていることは勿論 母親に内緒だ しかし そのことがきっかけで急速に母親と彼女達の仲が良くなったのだから 世の中どう転ぶか分からないものだ 『どんなお母様かドキドキしてたけど安心した。素敵なお母様ね』 そう言ってくれたのが何よりも嬉しかった 『でも秋彦の彼女と俺の彼女が あそこまで似ていると思わなかったよ。結婚式は丘の上のチャペルで なんて』 『本当だな。前から少女趣味だとは思っていたけど その感覚についていける女がいたこともびっくりだが それが秋人の彼女なんだから 笑える話だ』 『だね。やっぱり女性のタイプも同じなんだなって思ったよ』 『今じゃ瞳と里美も双子なんじゃねえか?くらいになってるがな』 そう言って また笑いあった
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