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手を高々と挙げた俺に、はたまた会場唖然。
一瞬にしてブーイングの嵐が霧散した。
「ふはっ!やっぱさいこーだよあんた!!」
俺の肩をバンバン叩きながら黒人が笑い泣きした涙を拭う。
つか、メッサ痛い。
俺、怪我人なんですけど。
「っつーわけだ。茶色いのの降参によって、勝者・ふわふわなやつ!!」
あ、黒人もフワフワが特徴だと思ってたのか。しょーかしょーか。
「と、とりあえず、《花鳥風月》の勝利だYO!これで最後は大将戦だYO!!」
なんとなく乗り切れない感じだ。
そりゃそーか。こんな終わり方じゃなぁ。
「親父さんの誇りよりもテメェの仲間をとったのかい?
降参ってことは、あんたなりの信頼ってことでいいのかねぇ?」
あらま、ホントに全部お見通しだよこの人。
俺は笑いを噛み殺す黒人を一瞥していつもの半眼をさらに閉じる。
「まったく不器用なやつだね、あんたらは。
ただじゃ負けられないから、最後の最後で禁じていた武術とやらを使う。
眼鏡なら絶対に勝てると信じていたから降参。
ま、降参にはあんたなりのケジメもあんだろ?
親父、こんな私利私欲につかってごめん、って感じかい?」
おい、マジにお見通しだぞ?全部読まれてんですけど!なんか怖いんですけど!!
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