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その恭也の横で、杉原先輩が黙ってモニターを見つめていた。
精神統一でもしているんだろうか?
この人ならやりかねないな。なにせ、普段と勝負前でギャップが激しい人だし。
僕も先輩に習って緩む頬を引き締める。
と、先輩がなにか呟いた。
「くっ……」
「く?」
「くはは、がははははは!!なんだぁ、あの一年坊は!?さいこーじゃねーか!フツー、そこでこーさんするかよ?がはははは!!」
「…………」
笑いを堪えていらっしゃったようだ。
腹を抱えて爆笑する杉原先輩にはどうやらそれ相応の自信と実力があるらしい。
恭也に聞いた話じゃ学年序列11位を蹴ったらしいし……。
もしかすると恭也並に強いのかもしれん。
「ハッ、大口かっぴろげて笑ってる暇はねぇんじゃねぇのか?テメェはまだ勝ってねぇだろ?それともなにか?このクソ眼鏡如きなら楽勝ってか?」
おい、誰がクソ眼鏡だ。
凶悪に笑いながら僕を親指で差す恭也を睨む。
「あー、わりーわりー。そーいうつもりじゃねーんだよ。俺はただ、死ぬほど面白かたっから笑っただけだ」
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