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「冗談じゃねぇぞ……。俺様が気付けなかっただ?」
「おいおい……瞬間移動ですか、ありゃぁ?」
煙草の箱を握りつぶして苦虫を潰したような顔になる恭也。
対して後者は相変わらず脳天気に半眼のまま頭を掻く朔夜。
「瞬間移動なんかじゃねぇよ。あれはもっと限定されたちからだ。
少なくとも予備動作なしで、しかも俺様に気付かれずにできるわけがねぇ」
「おーい、どしたー?控え室なんかすっ飛ばしてさっさとやり合おうぜー、眼鏡!」
片手を制服のポケットに入れたままもう片方の手を大きく振る杉原先輩がなんだか得体の知れないものに見える。
ポタッ、と冷や汗が地面に落ちた。
「ハッ、愉快に笑えねぇ野朗じゃねぇか。気張れよ、クソ眼鏡?あの時代遅れの髪型は間違いなく俺様クラスの能力者だ」
「おいおい、ツンデレにナルシストが入りやがりましたよこの金髪ヤンキー」
「黙れ、血祭るぞ」
「あらやだわん、女の子を奴隷にするような同性愛者になにされるのかしら!?」
クネッ、と女の子ポーズをきめて笑いを堪える朔夜。
常々思うが、こいつは色んな意味で敵に回したくないな……。恭也以上に厄介そうだし。
「テメェ……殺してやろうか?」
「なーに言ってんだよあんた?俺は怪我人、あんたは悪人。ここで俺を虐めたりしたらいよいよ持って変な噂が漏れるぜ?俺の口から」
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