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ちなみに朔夜はすでに、興味ない、とだけ呟きどこかへ行ってしまった。
「いやはや、ホントに素晴らしい活躍でした。ですから……
「もうここでやめようってか?昼に、話つけたばかりだろ、ジジイ!!」
途端、恭也の周りの空気が変質する。
昼になにがあったかは知らないがこれは相当怒ってる。
「違いますよ、柴くん。君の仲間の努力を教育者である私に踏みにじらせるつもりですか?
私はただ、ここまできたからあとは必ず勝って終わりなさい、と言いたかっただけです」
恭也を悪戯っぽく見て、それから校長先生は僕の肩に手を置く。
「良かれ悪かれ、君の仲間、二人が特殊な能力を持っていますが……君だって負けず劣らず特殊な能力の持ち主です。杉原くんは確かに強敵でしょう。
おそらくは、選抜枠に入っていてもおかしくはないレベルの生徒です。ただ、それが全てではありません。君の実力を思う存分に発揮してきなさい、野比くん」
暖かい眼差しだった。
あぁ、この人は心から生徒を信頼しているんだ……。
「校長先生……」
じんわりと胸が温かになる。
知らず知らずのうちに僕は校長先生の目を見返していた。
僕、夕闇なんですけど?野比じゃないんですけど?
結局台無しだった。
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